西方の大君主

2006年1月10日 読書
ISBN:4150204071 文庫 宇佐川 晶子 早川書房 2006/01 ¥1,050

やっと今月の分が出ました……!
去年、新装版でハマって以来、待っていましたよ……『ベルガリアード物語』の実質的な続編。
ここ数カ月は、『ベルガリアード物語』にいたるまでの過去の話をベルガラスとポルガラのそれぞれの視点で描いたシリーズが出てまして……。

本来旧バージョンで出ていた頃は、ベルガリアード物語→マロリオン物語→魔術師ベルガラス→女魔術師ポルガラと出ていたようなんですが……。

いやもう、ベルガラスとポルガラの話もすごく面白かったです。
歴史の裏側から、2人のなしてきた事が、すべて『ベルガリアード』に絶妙にリンクしていて……ガリオン誕生に至るまでの長い年月が少しもたいくつではなかったのです。
裏話的なエピソードでありながら、かなり入り組んで壮大で、ベルガラスやポルガラがこうやって歴史に関与していたんだ……という改めて面白くあの世界を堪能できます。

でも、壮大でありつつ最終的には彼等は結局、広い目でみた家族を見守っていたんじゃないかと。
確かに「彼」はリヴァの直系だけど、でもあちこちにきっと親戚・子孫が拡がっているわけで……。
2千年以上も立てば、世界のあちこちに何らかの縁ある血族が拡がっているだろうし。
かつて親しい友人だった者の子孫……とか、キリが無いけれど、ハンパなく範囲が広いだけで、2人は身内を守るために戦っていたみたいだなぁ、と思います。

ポルガラが、「台所を切り盛り出来れば政治なんて似たようなもの」とかいうような事を言うのですが、それまたある意味スゴイ表し方だ……(笑)

これ、リアルタイムで読んでいてもきっとハマっていただろうけど……。
今ちょうど出てくれてるおかげで、通勤の良いお供になっています。
これから数カ月、毎月刊行ですよ〜楽しみ〜!

そして、新しいのを読むと、もう1度古い方を反芻したくなるので、またベルガリアードの方も読み返してみたり。
ああ……やっぱり面白いや。

とあることがきっかけで、旅が始る……といった『指輪物語』的要素のファンタジーなんだけど、作者がアメリカだそうなので、指輪ほどの悲壮さというか暗さがあまりなく、結構軽快な感じで読めるのです。

女性陣がまた強かったりしてねぇ……。
ポルガラ(いや彼女はちょっと強過ぎですが(笑))が筆頭でセ・ネドラの愛すべき気の強さとか、王である夫が戦争に出ている間に、王妃たちが国を守るためにアレコレ小気味良いやり方で政治に関与していく様とか……裏方的話も面白い。

ちょっと、最近ファンタジー読んでないなぁ……でも、重いのは嫌だなぁ……という方にオススメかも。
ライトファンタジーよりはもっとしっかりしていますが、ドロドロしたのを読みたくない場合には、手頃な本だと思います。

表紙の絵も綺麗で良いしね。

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